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インプラントとメンテナンス
インプラント治療は手術が終わったら終了というわけではありません。長く使い続けるためには日ごろのメンテナンスが非常に重要になってきます。
インプラントを装着したからもう安心、とばかりに歯磨きなどをさぼっているとインプラント周囲炎にかかってしまうことがあります。悪化すると歯槽骨が解けてしまい、インプラントが外れてしまう恐れもあるのです。インプラントの周囲は細菌が繁殖しやすく、炎症が発症しやすいので注意が必要なのです。
また、歯科で定期健診を受けることも重要です。インプラントの安定をチェックするだけでなく、日ごろの歯磨きでは除去することのできない汚れを掃除してもらうことでインプラント周囲の健康状態を維持することができます。また、かみ合わせのチェックも行います。
定期健診は術後1年間は2~3ヶ月に1回程度、1年が経過したらその後は年1回が一般的です。
日本人は予防歯科の概念が薄いといわれています。虫歯になってはじめて歯科に通うという考えが根強いだけに、ついつい定期健診をさぼってしまい、足が遠のいてしまうものです。しかし、インプラントを長く機能させるためには定期健診は欠かせません。また、万一トラブルが発生した際、すぐに相談できる場所を確保するためにも日ごろから歯科医に見てもらうことは重要でしょう。
インプラントは一生もの。しかしそれはあくまでしっかりとメンテナンスを行い、健康的な口内環境の維持を心がけた上での話。高額の費用をかけて受けた手術なのですから、コストパフォーマンスを高めるためにもメンテナンスはしっかり行うようにしたいものです。
インプラントが受けられないケース
基本的に誰にでも治療が受けられるインプラント。しかし場合によっては治療に適さないと判断されることもあります。
まず骨の量。インプラントを埋め込むために必要な骨の量が足りないことがあります。歯周病などによって骨が溶けてしまっている人によくあるケースで、このままでは手術を行うことができません。ただ最近ではより少ない骨量で手術を行うことができるようになったり、骨移植によって補うことも可能になっています。
全身になんらかの疾患を抱えている場合もインプラント手術に適さない場合があります。その代表的なものが糖尿病です。糖尿病患者は免疫力が低下しており、インプラント手術後の細菌感染のリスクが大きくなってしまうため、手術に適さないのです。しかし、血糖値のコントロールがしっかりできている場合は糖尿病でも手術を受けられることがあります。
それから心臓病。インプラント手術の負担に耐えられない場合があることや、人工弁置換術やペースメーカーを入れている場合には細菌が繁殖することで感染性心内膜炎を起こすリスクが出てくるため治療を受けることができません。
そのほか、重度の肝疾患や腎疾患を抱えている人もインプラント手術には適しません。骨がもろくなっていたり、治療後の傷の治りが遅くなっているからです。
このように、健康状態によってインプラント治療が受けられないケースもあります。最終的な判断は歯科医によって下されるので、これらの持病を抱えている人は事前によく話し合う必要があるでしょう。
インプラントの歴史
近年急速に知られるようになったインプラント治療ですが、その歴史はかなりのものがあります。
もともと古代から人類は失った歯を人口歯で補うという治療を行っていました。紀元前700年頃のマヤ族のミイラに下顎の骨と結合した貝殻が発見されたこともありました。
中世から近代にかけては宝石やさまざまな金属を使用していましたが、安全性や金属アレルギーなどさまざまな問題がありました。
現在のインプラント治療が実用化の段階に達したのは1950年代。現代インプラントの父とも呼ばれるスウェーデンのブローネマルク教授がチタンが骨と結合する性質を持っていることを発見。これまで大きな問題となっていた金属アレルギーを解消、安全性、耐久性ともに大幅な改善をもたらすことに成功したのでした。ブローネマルク教授はその後13年の歳月をかけて研究と実験を繰り返し、ついに実用化に成功。それが現在のインプラント治療のはじまりとなったのです。
ブローネマルク教授によって初めて治療を受けた患者はその後死ぬまで数十年の間、インプラントに何の問題も発生せずに生活を送ることができたといわれています。
日本でインプラントが導入されるようになったのは1982年以降。当時はノウハウがまず少なく、欧米人用に開発されたインプラントは日本人には合わないなどの問題も多かったようです。しかし現在では目覚しい技術の進歩を見せており、安全性、耐久性ともに非常に優れたものが登場しています。需要がますます高まっている現在、より使いやすく、長持ちするものとなっていくことでしょう。